どうしてこうなった、京介
そういえば俺妹1期のTRUE ROUTE(本編アニメの後に作られた原作準拠のもの、2期はここから続く内容である)を見ていなかったので見た。
いや、京介、なかなか気持ちが悪い。
「私は妹の代用品ではないわ」と五更さんが言う気持ちもよく分かるし、京介がシスコンだと分かっててそれに付き合ってる麻奈実さんも大概な神経をしていると思う。
さて今回は、俺妹アニメの結末についての感想を書こうと思う。
まず最初に結論として、私はあの終わり方に対して非常に強く抗議したい。
なぜ京介に桐乃を選ばせた。
もし、京介があやせたんや黒猫を選んだとすれば、私は何も言わずにただ頷いただろう。それが自分にとって最も自然な結末だし、実際にあの二人はラブコメ作品のメインヒロインに相応しい振る舞いを見せていた。
しかしそうはならなかった。京介は二人のことを完璧に振った挙句、よりにもよって実の妹の桐乃に告白しやがった。やばい、こいつ真正だ。
その結果として、二人は絶対に、いかなる可能性においても、救われない結末をたどることになる。あやせたんを泣かせ、黒猫に呆れられ、幼馴染に軽蔑されるなんて序の口だ。
期間限定で恋人同士?
そんなものただのまやかしに過ぎない。お互いを異性として意識する男女が、元の兄妹に戻れるはずなどないのだ。
とはいえ結ばれることももちろんできない。様々な法規や道徳や感情がそれを認めないだろう。二人が全てから孤立し、この社会に生きる人間であり続けることをやめたとすれば話は別だが、人はそれを破滅と呼ぶのではないだろうか。
付き合う前なら、どちらかが気持ちを言葉にする前ならまだ引き返せた。思春期特有の気の迷いということにして、互いに成長し、やがて疎遠になって、お互い別の相手と幸せになることもできた。
しかし、そうはならなかった。一度踏み出した以上、二人はやがて来る破滅への道を、手を取り合ってひた走らねばならないのである。
ラブコメとはかけ離れた仄暗い領域が垣間見える作品だった。