こんなん徒然草生えるわ

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ドクターペッパーと僕

先日、駅前のファストフード店で昼食を食べた帰りに、ある自販機を見つけた。それはなんと、ドクターペッパー入りの自販機だった。僕はその物珍しさから、これに近付いてまじまじと眺めてしまった。

というのも、関西でドクターペッパーの入った自販機を見つけることはそうそうないのである。唯一の例外が有馬温泉の片隅に置かれていた小さな自販機だが、後から調べてみるとあれは世界中の珍しい飲み物を集めた自販機だと判明した(https://1chnet.com/?p=520)。

この事例だけをとっても、関西ではあの愛すべき清涼飲料水はライフガードにも劣るキワモノ扱いをされているということが想像してもらえたと思う。

せっかく売られているのだから、どれ、一本、と考えて自販機に硬貨を入れたのだが、残念なことにドクターペッパーはすでに売り切れていた。

改めて自販機を見直してみると、売り切れていたのがドクターペッパーだけであったことに気付く。このことから、この近所には僕以外にもドクターペッパーの偏執的な愛飲家がいるのかとも思ったが、冷静に考えればそれはありえない。

そのようなドクターペッパー狂いであれば、わざわざ自販機で買うような効率の悪いことはせず、24缶入のダンボールを家に常備しているはずだからである。

そうなると残る可能性は一つ、単純に、これを購入する人数が多いというものである。つまり、この地域の人達は夏の日差しに喉を涸らして自販機の前に立つとき、その指をコカ・コーラではなくドクターペッパーに対して、自然に伸ばすということでもある。

これは僕にちょっとした感動を与えた。なぜなら、僕がこれまで住んでいた世界では、ドクターペッパーはゲテモノで、キワモノで、杏仁豆腐だったからである。関西と関東の違いなんて探せばいくらでも見つけられるものだが、これはその中でも極めて印象的な違いと言えよう。

 

昨日、その自販機を見てみると、長らく点灯していた売切表示が消灯していた。しかし、僕はドクターペッパーを買わなかった。ここで買わずとも、家に帰ればドクペ入り段ボールがあるというのが主な理由だが、この近所の人達に悪いと思ったという所もあるに違いない。